住宅ローン減税

注文住宅の新築といえば、その工賃はふつうのサラリーマンの年間収入の何倍もの金額となってしまうため、さすがに自己資金だけで支払いをするのは実質的に困難であるといえます。そこで、銀行や信用組合、労働金庫などといった窓口に相談をした上で、住宅ローンの契約を結んで、自己資金を頭金に、その残りは住宅ローンを借りることによって支払いをするというのが一般的となっています。
住宅ローンそのものも、あくまでも借金ですので、毎月一定の金利部分を加えた上で、銀行などに返済をしなければならず、やはり家計の負担の大きなウエイトを占めることは避けられないといえます。しかし、現在では国でもこうした負担の状況を把握しており、国民が良好な住宅環境のもとで生活ができるようにするため、住宅ローン減税制度というものを設けています。

この住宅ローン減税制度というのは、注文住宅の新築、建売住宅の購入を問わず、住宅ローンを借り入れてマイホームを取得しようとする場合に、その金利負担の軽減が図られる内容となっています。より具体的にいえば、毎年末の時点における住宅ローンの残高か、または住宅の取得価格を比較して、いずれか少ない方の金額の1パーセントにあたる金額を、所得税の金額から10年間にわたって控除するというものです。また、所得税は国税ですが、国民はあわせて地方税としての都道府県民税や市町村民税も納税しているため、もしも所得税から控除しきれない部分があった場合には、こちらの住民税のほうからも控除されることになっています。
住宅ローン減税制度の適用については、本人がなにもしないでも自動的に適用されるというものではなく、かならず税務署に対して確定申告をして、そのなかで住宅ローン減税の対象になっていることをあきらかにしなければなりません。サラリーマンのような給与所得者の場合には、いったんこの申告をしてしまえば、2年目からは会社における年末調整において適用可能となりますので、手続き的にはかなり楽になるはずです。

最初の確定申告の際には、たしかに要件に該当することを税務署が確認するため、申告書そのもののほかに、住民票の写し、住宅ローンの残高証明書、登記事項証明書、会社の源泉徴収票などといった書類を添付することが必要です。
なお、この住宅ローン減税制度は、新築の注文住宅などにかぎらず、実は中古住宅についても対象となっています。また、増築や規模の大きな修繕、バリアフリー改修などの工事費についても、住宅ローン減税の適用対象となることがあります。これらも基本的には確定申告のなかで必要書類を提出しなければなりません。