注文住宅を新築する場合はに、土地探しからはじめるというのが定石といえます。土地の面積や形状、置かれている環境といったものは、注文住宅を新築する上でも、大きな制約条件となってきます。逆にいえば、より適切な土地を買いもとめることがはじめからできていれば、住宅のほうも思い通りに近いものができあがる確率が高くなるというわけです。
三重県内でこうした土地を探したい場合ですが、まずは漠然とでもエリアを決めておくというのがひとつのコツであるといえます。三重県というのは南北に長い形状になっている上に、東西方向も伊勢湾と鈴鹿山脈に面しているという特徴があるため、土地探しをするエリアによって、かなり様相が変わってくるのです。
県内では輸出などの船舶交通に便利で平地の多い臨海部、特に桑名市から松阪市のあたりに優良な一般住宅向けの分譲地が多くあつまっているといえます。また、こうしたエリアには、総合病院、学校、大型ショッピングセンター、鉄道の駅やバスターミナルといった、主要な都市機能も集約されていますので、なおさら利便性が高く快適な生活をいとなむことができるといえるでしょう。
いっぽう、西は鈴鹿山脈とはいっても、忍者のふるさととして有名な伊賀市、名張市といったあたりは、ここだけ上野盆地とよばれる平地にめぐまれているため、比較的大型の宅地開発などもすすんでいるといえます。地価としても海沿いよりは安価という特徴があり、しかも鉄道や高速道路といった交通インフラの利用が可能であるため、このあたりに狙いを定めて土地探しをしてみるというのもよいでしょう。
さらに、三重県の県庁所在地である津市、伊勢商人の発祥地とされる松阪市などといった自治体は、実は東は海に面しているとともに、地形的に東西方向にも細長く、山あいにも住宅の適地を抱えています。特に、山あいのほうは交通面ではかなりデメリットがあるものの、自然が豊かであるというところから、別荘地、リゾート地としての開発が昔からすすんでいます。都市的な生活に気詰まりをおこして、静かな環境で第二の人生をすごしたいといった理由で注文住宅を新築するということであれば、こうしたエリアも候補に入れてもよいでしょう。
いずれにしても、住宅をどのような目的のために使いたいのか、どのようなライフスタイルを希望しているのかといったことによって、めざすべき土地のエリアが違ってきますので、慎重に検討したほうがよいといえます。